小鳥の声めざまし 目覚めのしくみ
なぜ、ほとんど聞こえない音から始めるのか。その考え方と、もとになった研究をご紹介します。
このめざましの考え方
大きな音でいきなり起こされると、深い眠りから無理やり引き上げられて、頭がぼんやりしたまま(寝起きの悪さ)が続きやすくなります。
このアプリは、起床時刻になると森の小鳥の声をほとんど聞こえない大きさから始め、約15分かけて少しずつ大きくします。眠りが浅くなった瞬間に、小さな音でも脳が気づいて自然に目が覚める——そのタイミングを待つ設計です。
最後に鶯(うぐいす)のはっきりした声で、確実に目覚めます。
眠りの深さで「聞こえ方」が変わる
睡眠の研究では、眠りの段階によって「音で目が覚める最小の大きさ(聴覚覚醒閾値)」が大きく違うことが、1960年代から繰り返し確かめられています。
深い眠り(徐波睡眠)のときは、かなり大きな音でないと脳は反応しません。いっぽう浅い眠りやレム睡眠のときは、小さな音でも脳が気づきます。
眠りは一晩のうちに深くなったり浅くなったりを繰り返します(おおよそ90分周期)。だから「小さな音を流しながら少しずつ大きくする」と、浅い眠りに入ったところで目が覚めやすく、深い眠りのときは眠り続けられる、という考え方です。
音の種類も関係する
2020年に発表された研究(オーストラリア RMIT大学)では、単調な「ピピピ」というアラーム音より、メロディのある音で起きる人のほうが、起きた直後のぼんやり(睡眠慣性)が少ないと報告されています。
小鳥の声は高さと抑揚があり、自然界で私たちが「朝」と結びつけて聞いてきた音です。このアプリが小鳥の声を選んだ理由のひとつです。
使うときのコツ
- iPhone 本体の音量は 70〜80% にしておくと、始まりはかすかで、仕上げの鶯はしっかり聞こえます
- 起床時刻は「起きたい時刻の15分前」に合わせるのが目安です(鶯はその約15分後に鳴きます)
- 眠りの音(深夜の森・雨の夜・鈴虫)は、部屋で「起きているとき、かすかに聞こえる」くらいがちょうどよい大きさです
人によって(または寝室の環境によって)は、スマホの音量40%くらいでも充分に気持ち良く目覚めることのできる音量です。お昼など、騒音の大きい場所ではやはり音量をそれなりに上げる必要がありますが、あなたの眠る環境に合わせてうまく調節してください。
正直に、書いておきたいこと
ここで紹介した研究は、睡眠と音の関係についての研究です。
このアプリの目覚まし方式そのものの効果を検証したものではありません。「この方法なら必ず気持ちよく起きられる」と証明された研究は、いまのところありません。私たちは、確かめられている一般的な知見をもとに、この形を作りました。
そして、有志の仲間たちとともに、数年にわたり「小鳥の声めざまし」のテストとして、日常のように毎朝あたりまえに小鳥の声で目をさましてきました。
それは何年続けてきても耳が慣れて聞こえなくなる!なんてことも無く、全ての仲間はかすかな微音でめざめることができるようになりました。いまではみんな小鳥の声めざましが大好きです。
本アプリは医療機器ではなく、睡眠の改善や健康の増進を保証するものでもありません。睡眠に不安のある方は、医師にご相談ください。
参考文献
- Williams HL, Hammack JT, Daly RL, Dement WC, Lubin A. Responses to auditory stimulation, sleep loss and the EEG stages of sleep. Electroencephalography and Clinical Neurophysiology. 1964;16:269–279.
- Rechtschaffen A, Hauri P, Zeitlin M. Auditory awakening thresholds in REM and NREM sleep stages. Perceptual and Motor Skills. 1966;22:927–942.
- Rosa RR, Bonnet MH. Sleep stages, auditory arousal threshold, and body temperature as predictors of behavior upon awakening. International Journal of Neuroscience. 1985;27(1–2):73–83.
- McFarlane SJ, Garcia JE, Verhagen DS, Dyer AG. Alarm tones, music and their elements: Analysis of reported waking sounds to counteract sleep inertia. PLOS ONE. 2020;15(1):e0215788.
