第1話で、こう書きました。
スマートフォンでは録れない音があること。録れても、普通のスピーカーでは鳴らせないこと。CD にも MP3 にも、入りきらない音があること。——ひとつずつ知っていくことになるのですが、その話はまた別の日に書きます。
その話を、今日書きます。
最初は iPhone で録っていました
小鳥の森の声を家でも聴きたい。そう思って、最初は iPhone で録音していました。
手軽で、いつでも持っていて、それなりにきれいに録れます。
けれど、これでは本来の音とは違うのだということを、あとになって知りました。
音には周波数があります。低い音、高い音。そして——高音域の音こそが、自然界ではとても重要な音であるらしいのです。
犬とイルカ
調べれば調べるほど、その高音域で、いろんなことが起きていることを知りました。
たとえば、犬笛。
人には聞こえない音で、犬に話しかけることができます。犬は、およそ 50kHz くらいまで聞こえていると書いてありました。人が聞こえるのは、だいたい 20kHz までです。
イルカに至っては、150kHz。
まったく想像もできない超高音域を使って、日常の生活を送っているのだそうです。

人には聞こえない。けれど、確かに存在している。
それは、想像ではなく、事実として世の中にあるようです。
だとしたら、小鳥は
ここで、私はこう思いました。
小鳥たちも、この音域を使ってやりとりをしているのかもしれない。
もしそうだとしたら——
森や山で小鳥の声を聴くということは、耳に聞こえていない音まで含めて聴いている、ということになります。
聞こえていないのに、そこにある。私の体は、それを浴びている。
これは、家でも再現したい。
すごく、すごく。これは自分にとって、絶対に必要なことだと、強く思いました。
ところが、鳴らせない
そう思って、方法を調べました。
結論から言うと、それまで私がかかわってきた音響の機器では、まったく不可能でした。
- iPhone での再生 — できない
- CD — できない
- mp3 データ — できない
全部、だめでした。
理由を知って、なるほどと思いました。
音のデータは、保存するために情報を削っているのです。
人間の耳に必要な帯域だけを残して、それ以外を捨てて、小さなデータにして保存している。
そうしないと、データが大きすぎて扱えないからです。CD が作られたときも、mp3 が作られたときも、「人に聞こえない音は、要らない」という考えで設計されました。
その考えは、人にとっては正しいのだと思います。

けれど。
CD に入っている小鳥の声は、小鳥たちにとっては、まったく小鳥の声ではないのかもしれません。
高音域が、完全にカットされているのですから。
(これは私の想像です。小鳥に聞いたわけではありません)
いまの環境
いま、私はこうしています。
録音するとき
- 高音域も録音できる録音機を使う
- そのデータを PC へ移す
- 生のままのデータは WAV という形式。ファイルサイズは大きいですが、そのまま扱います
聴くとき
- PC に、ちょっといいサウンドカード
- そこから光デジタルケーブルで、スピーカーへ
- スピーカーは、ソニーのハイレゾ対応のもの

iPhone でも、できるらしいのです
ここまで書くと、大がかりに思われるかもしれません。
けれど、iPhone でも同じことができるらしいと聞きました。
DAC というものを用意する。デジタル・アナログ・コンバーター、と読みます。データを、音の信号に変える機械です。
iPhone に DAC をつないで、そこからスピーカーへ。「ハイレゾ対応」と書かれた DAC が、実際に売られていることも知りました。

★ ただし、私はまだ試していません。
DAC を持っていないのです。ですから、ここに書けるのは「そう聞いた」ということだけです。 実際に聴いてみて、どうだったか——それは、手に入れてから、改めて書きます。
ひとつ大切なこと。DACと同等かそれ以上に重要なことがあります。
DAC だけでは足りません。 もうひとつ必要なものはスピーカー。DAC が変えるのは「信号」までで、それを実際の空気の震えにするのはスピーカーです。 スピーカーが高い音を出せなければ、その音は存在しません。 両方そろって、はじめて鳴ります。
人の耳では聴くことのできない音域です。けれど、それこそが、自然界に存在するものに少しでも近く表現できた音——のはずです。 そこは、自分の耳(と体)で確かめてから書きます。
書かないことを、書いておきます
ここで、はっきり書いておきたいことがあります。
この高音域の小鳥の声を聴いて、体が健康になる。そういうことを、私は決して発信しません。
高音域について書かれた論文が、世の中にいろいろ存在しているのは事実です。たくさんの博士たちが研究しているのも事実です。
けれど、医学的に確立したものは無いようです。
私は専門家ではありません。詳しくも知りません。ですから、そういう医学的な発言はしません。 ここに書けるのは、世の中にある事実だけです。
それでも。
自然界と同等に近い音源の小鳥の声を、自分の生活環境で聴ける。
このことに、私はすごく満足感があります。
聞こえない音が入っている、というその一点のために、大きなファイルを扱い、機材を用意し、山に登って録っています。
理屈ではないのかもしれません。
でも、私はそうしたかったのです。
次は、この音源を会社の「 BGM 」として使っていただけないか、という話を書きます。
岐阜の山あいから、羽賀明人

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